最高裁判所第三小法廷 平成9年(行ツ)13号 判決 1998年11月10日
上告人
阿波根昌鴻
外一名
右両名訴訟代理人弁護士
新垣勉
被上告人
名護税務署長
宮城朝章
右指定代理人
渡辺富雄
主文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人らの負担とする。
理由
上告代理人新垣勉の上告理由第一点及び第二点について
日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法一四条に基づき同法三条の規定による土地の使用に関して適用される土地収用法七二条所定の使用する土地に対する補償金は、所得税法三六条一項に基づき、その払渡しを受けた日の属する年における収入すべき金額として所得の金額の計算上総収入金額に算入すべきものと解するのが相当である。原審の適法に確定した事実関係の下においては、上告人らが払渡しを受けた本件補償金の全額を昭和六二年分の所得の金額の計算上総収入金額に算入すべきであるとした原審の判断は、結論において正当である。原判決に所論の違法はなく、論旨は、独自の見解に立って原判決を非難するものにすぎず、採用することができない。
同第三点について
原審の適法に確定した事実関係の下においては、所論の点に関する原審の判断は、正当として是認することができる。論旨は、独自の見解に立って原判決を非難するものにすぎず、採用することができない。
よって、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官園部逸夫 裁判官千種秀夫 裁判官尾崎行信 裁判官元原利文 裁判官金谷利廣)